2008年度リニューアルの目玉となった「HD高画質配信」について改めて見ていこう。謳い文句では「業界初」となっているが、HD画質の配信自体は高画質動画で有名な「一本道」が先駆となる。但しHD高画質でのストリーミング配信対応という点では「業界初」と言って良い。他サイトでも「高画質配信」を謳っている所はいくつもあるが、それらのスペックは解像度 704 x 396 pixel または 720 x 480 pixel、ビットレート 3000KB が一般的だった。今回カリビアンコムで提供する「HD高画質配信」は解像度 1280 x 720 pixel、ビットレート VBR/4000 KB、音声方式 WMA 192kbps, 48 kHz となっている。
画素数比では従来の 230%強、それと比較してビットレート 4MB というのはHD動画としては少々低い数値なのが気にかかる。動きの速い部分ではスムーズさを欠くのではないかと予想していたのだが、意外となめらかな再生に感心した。ただ見た目という物は個人の主観による部分が大きいので、この点はサンプル動画をダウンロードしご自身で確認して頂くのが賢明だろう。誰の目にも明らかな程の美しさに驚くのではないだろうか。
それでは通常のXGAディスプレイでHD動画を見た場合はどうなのだろう。HD動画の解像度は 1280 x 720 pixel、XGAのディスプレイ解像度は1024 x 768 pixel なので、再生時には、PC側で解像度を落とすわけだが、この場合でもHD画質の効果は絶大で、従来サイズの動画との違いをはっきりと認識できる。
肝心のコンテンツ数に関して、HD配信開始時点(2008年12月31日)20作品ほどだったが、2009年09月時点で 140作品となり、高画質コンテンツは着実に充実している。HD高画質動画の本数だけで、ここ最近オープンした一部のアダルト動画サイトの総配信数を上回っている状況だ。
一方、高画質ならではの問題点もいくつか存在する。最大の問題は1日辺りの帯域制限だ。以下の画質モードと帯域制限を比較した表をご覧いただこう。
| モード | 低画質モード | 高画質モード | HD画質モード |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 320 x 240 | 704 x 396 | 1280 x 720 |
| ビットレート | 600 kbps | 2000 kbps | 4000 kbps |
| 1時間の動画サイズ | 300MB | 1GB | 2GB |
| 3.2GBの動画時間 | 11時間 | 3.2時間 | 1.6時間 |
1時間のHD動画は、ファイルサイズで約 2GB。1日辺り 3.2GB(2009/09時点では 4.0GB/1日に増量されている) の帯域制限でダウンロード(またはストリーミング再生)できるのは 1時間半なので、40分程度のコンテンツなら2本、1時間超のコンテンツは1本が限度となってしまう。画質云々以前に、これは深刻な問題だと言える。
もう1点、これはアダルト動画に限ったことではないが、HD高画質動画の保存方法が限られる点にある。HDDやDVD-R、Blu-ray Disk などにそのまま保存しておくと言うのなら特別問題はない。しかし家庭用DVDプレーヤーで再生したいのならば、どのみち従来DVDの画質に落とさなければならず、わざわざHD動画でダウンロードにする必要性はあまりない。互換性問題を承知で高画質DVDとして作成するか、メディア単価の高い Blu-ray Disk へ保存する等の方法もあるのだが、実際に利用している方なら、これが現実的ではない事をご存じのはずだ。
デメリットをどう解釈するかは利用者によって異なるが、高画質化を求めることは自然の流れであり、HD高画質配信が非常に魅力的なサービスであることは間違いないと思う。HD高画質配信開始時点では、コンテンツ数が揃わずメーカー側の勇み足感が否めなかったのだが、約1年経過した現在は、これだけを目的に利用しても良いくらいに充実したという印象である。